前編で書き忘れたことを追記しておきます。
スカイビュートレイル70の制限時間は24時間となっています。
ブリーフィングでは、歩いても何とかゴールできる時間設定(とはいえのんびりペースではダメらしい)との説明でした。
今回、私の目標タイムは18時間に設定しました。
トレイルレースに何回か出ているとコースの途中で度々見かけるランナーさんが増えてきます。そのうちにこのランナーさんは私と同じくらいの走力、このランナーさんは30分くらい速いなどと、自分の力量がだいたい把握できたりします。
ただ、他のランナーさんと比較できるのも40キロ前後のレースまでで、そこから先は一気にペースダウンするので自分より30分~1時間遅いランナーさんにも簡単に置いて行かれたりします。
3年前の越後カントリートレイル53キロ然り、昨年と今年の野沢温泉マウンテントレイル65キロ然り…です。
今回、過去のリザルトから見知っているランナーさんの完走タイムを確認したところ、同じような走力の方は16時間~16時間半くらいでフィニッシュされていました。
エイド間のタイムも記録されていたので、皆さんの大体のレースペースを見習って4・2・2・2・2・4を目安にしました。
スタートから最初のA3エイドまで4時間、そこからA4まで2時間、W2まで2時間、A5まで2時間、A6まで2時間、フィニッシュまで4時間という配分で計16時間になります。
渋滞や大休憩、終盤のバテバテによる遅れを2時間見込み、大きなトラブルがなければ18時間で行けそうと踏んだわけです。
さて、スタート直後のゲレンデを登り切るまであと少しといったところで、リフト終点の広くなっている場所が、いかにも眺望が良さそうな感じで見えてきました。
前の方がやや詰まり気味になってきたのとちょうど右に大きくスペースが空いたので、景色のいいところで写真を撮ろうと思い、50mほど駆けて向かいました。
と、そのとき後ろの女性ランナーさんが「走ったらあか~ん。走ったらあかんねんて。」と叫んできました。(えっ、ここ走ったらあかんのん?ブリーフィングで言ってた?)と半分関西弁に感化された頭で考えましたが、そんなわけありません。
その上下ピンク色のランナーさんが真後ろに来た時に、もう一度「先長いんやから走ったらもたんで」というようなことを言われ、(ああ、そういうことか)と納得するようなしないような気もちで進んで行きます。
最初の下りに入って、膝や足首の具合を確かめたり新調したシューズの感触を確認したりとしながらゆっくりめに走っていると(コース幅はかなりあります)数人に勢いよく抜かれます。件のピンク色ランナーさんもサーっと抜きざまに「ほら言った通り(走ったからバテてる)やんかー」と声を掛けていきます。
(そうじゃないんだけどなー)と半分くらい口に出しながら悶々と走っていましたが、まぁかなりのおっさんの風体だし、心配してもらえるのも何だかありがたいかなと逆にうれしく感じてきました。
普段なら余計なお世話かなと思ったはずですが、周りの景色が心に余裕を生ませてくれたんでしょうね。
ここからキャンプサイトまで緩い下りがホント気持ちいい。
途中、公衆トイレがあったのでちょっと寄りました(なんせ次のエイドまで3時間以上見込んでるので)。
さらに140キロ選手用のW1エイドを過ぎたところでスタートから約50分経過しています(給水はないがトイレは利用できるらしい)。
さらに進むと武尊神社があり、ここでポケットから用意しておいたお賽銭を出し、石段を駆け上がって(小さなお社なので十数歩で着く)お参りしました。
他のランナーさんのブログでお参りする様子が書かれていたので、皆さん立ち寄るのかなと思いましたが実際はほとんどいませんでした。
振り返るとお社から離れた鳥居のところから簡単に済ませる方が一人いらっしゃっただけで皆さん素通りでした。
武尊神社を過ぎるといよいよ武尊山登山口が見えてきて、トレイルにとりつきます。
ブリーフィングで星野緑さんが「前半はレースではなく登山だと思った方がいいです。トレイルレースらしくなるのは終盤以降です。」と説明されていた通り、登山道を連なって登っていきます。
じゃ中盤は何かと聞かれればゲレンデの登り降りと登山の繰り返しという感じでしょうかね。
今年から全コースがポール使用可となっていたため、最初からポールを使うランナーさんが多く、急な登りでは特に気を使いました。
いや、私は使っていないのでたまに目の前に飛んでくるポールの石突きに気を付けて進みました。
まだそれほど気温も上がらず、時折日差しの差す天気に恵まれ、変化に富んだトレイルをどんどん進んで行きます。
レース専用に切り拓かれたコースを通りますが、大会関係者の並々ならぬ努力が窺え、ありがたい限りです。
思わず後続のランナーさん(江戸くノ一組の方)に「変化があって面白いコースですね。」と声をかけたところ、「この上州武尊のコースが一番好きなんです。」という答えが返ってきました。
それならなおさら完走せねば。
つづく