A5・ オグナほたかスキー場エイドに入ってきたのが15時20分、スタートから9時間20分経過しています。
W2・十二様エイドから1時間45分ほどで到着となり、ここでも目標の2時間を前倒しできています。
こちらはスキー場施設内なので快適度ナンバーワンです。荷物を柱の隅に置いてタオルを取り出し、地下にあるトイレへ向かいます。カランのところで頭や顔、首筋まで洗いまくって蛇口から水をがぶ飲み。かなりリフレッシュできました。
手洗いを済ませ、他の補給は後回しにしてスタッフさんにお楽しみのカレーをお願いしました。片品高原産の野菜がたっぷり入ったまろやかな滋味のあるカレーです。
お代わりしているランナーさんもいましたが、5キロのザックに加えて体重増ではこの先辛いと思いここは我慢、ミニカップラーメンもパスし、ウインナーを1本だけいただきました。あとリンゴを3切れほど。
かぼちゃの煮物がおいしそうでしたがのどを通りにくそうな気がして止めました。しかし、カレーにかぼちゃをINしている方を見て激しく後悔。
マイカップに爽健美茶を注いでもらい、一気に飲み干すとこれがものすごくおいしい。
フラスク2個を爽健美茶満タンにしてようやくエイドアウト。
エイドに入ってから25分くらい経っていましたが、ここは47.9キロ地点にありまだまだ先は長いので多少ゆっくりていてもヨシとします。
ケガの痛みは少し残っているものの、他に足腰の異常はまったく感じられません。
次のエイドまで約10キロ、まだまだペースを保って行けそうです。
エイドを出てからトレイルに入り、少し登ってから下りが続きます。
辛かった記憶がないせいかこのパートはあまり良く覚えていませんが、周囲に他のランナーさんがまったくおらずほとんど一人で走っていたような気がします。
17時15分、A6・赤倉林道分岐エイドに到着です。
A5でのんびりしていたせいか1時間50分ほどかかりましたが、まったく不安のない順調なペースです。
この地点で57.7キロ、フィニッシュまで残すところ20.1キロとなりました。
こちらでは温かい給食が用意されていて、梅干しを入れたおかゆとスープが疲れてちょっと冷えてきた身体に沁みます。おかゆ、ホントにうまかった。
バナナとオレンジをいただき、スタッフさんから「はい、ここまで来たご褒美に」とアミノバイタルジェルを一つ渡されました。
ここにも爽健美茶が置いてあり、再びフラスクを一杯にしてもらいました。
補給を終えたところでヘッデンとハンドライトを取り出し点灯確認しました。
日が暮れてすぐに使えるようにヘッデンは頭に装着、ハンドライトはザックの取り出しやすいところに収納し、次のエイドへ向けて出発です。
スタートしてしばらくたって、次のエイドは14キロ先のW5・雨乞山ウォーターエイドで、そこには給水しかないことを思い出しました。
しかもフィニッシュまでここから4時間を見込んでいます。
さっきのエイドに着いた時にスタッフさんから「最後のエイドですからね(しっかり食べたほうがいいよ)」という声掛けをしていただいたのをすっかり忘れていました。
あー、出る前におかゆをお代わりしておけば良かったと後悔しきり。まあ、ザックにはジェル2個と柿の種、エナジーバー他まだまだ携帯食は残っているので大丈夫なはずです。
しかし、このパートは長かった。
少し下ってから300mほど登り返した後は、星野さんがここは気持ち良く走れる(足が残ってれば)と言っていたトレイルが続きます。
日が落ちて真っ暗な起伏の少ない(思っていたよりある)道を一人で走っているとようやく先行のランナーさんや後ろから追い上げてくるランナーさんと合流でき、3~5人で黙々と進みます。
20分くらいは何とかペースを保てましたが、体力が続かない。
給水のタイミングで一休みすると、後続のランナーさんから「がんばりましょうっ」と励まされて最後尾から追いかけてみるもやがて一人になり…。
そのうち雨も降ってきてますます寂しくなってきましたが、濡れた道をライトで照らすといろんな虫が見つかって意外に楽しい気分になったりと忙しい。
真っ暗なので気持ちいいとは言えないトレイルの終盤、灯りが見えてきて人の話し声もします。やったーW5到着と思いきや岩場の危険個所に配置されたスタッフさんでした。
大きな岩が連なる激坂をがんばって下るとようやくW5・雨乞山ウォーターエイドに到着しました。
時刻は20時15分でA6からちょうど3時間、あと6キロでフィニッシュです。
水を補給し荷物を下ろして柿の種を食べました。出発前、スタッフさんにこの先は急な下りが続きますかと聞いたところ、「今ので急な坂は終わりです」と心強い返事をいただきました。
下り始めるとさっきと同じような岩場の激坂が待っていました…
トレイルレースは大体こんな感じですね。エイドまであと1キロと言われても2キロあったり、もう登りはないといわれてもアップダウンが延々と続いたり。
途中、開けたところから川場村の夜景を見ることができました。土地鑑がないのでどの方向に何があるかさっぱりわかりませんでした。
案内板によると明るいうちなら上州の山をたくさん見ることができそうです。
その後の下りはまあまあ走りやすいトレイルが続き、先行のランナーさんをパスして集落に出ました。道路が濡れていてチョークの矢印を見落としてロストしかけましたが、たいしたロスもなくすぐに復帰。歩いているランナーさんを追い越したところで大きな道路に出ました。しかし、T字路なのにいくら探してもテープや看板、矢印が見つからずどっちに行っていいかわかりません。
しばらく後続を待つこと2分、案内板のところで一緒になったランナーさんがやってきました。
「すみません。どっちに行っていいかわからないんですけど。」と声をかけると最初はちょっと戸惑っていましたが、コースを大体把握していた方だったので「ゴール手前の橋はあっちの方だから左です。」と教えてくれました。
二人で向かっていくと前方に信号機のある交差点が見えてきて、そこにいるスタッフさんとは別にこちらに歩いてくるスタッフさんがいました。
たぶん、一時的にT字路から離れた誘導の方ではないかと思われます。
横断歩道の信号は赤に変ってしまい、またしばらく待機。夜更けなので間隔はけっこう長くじりじりと待っていました。
信号が変わり走り始めますが忖度されたのでしょうか、件のランナーさんは付いてきていません。
雨乞山からの下りとここまでのロードはかなり調子が良く、足も全く痛くありません。長い橋を越え、ゴールまでとにかく全力で走り切りました。
写真もまったく撮らず、立ち止まらず、フィニッシュゲートのテープを切りました。
時刻は21時12分、ゴールタイム15時間12分、長くてつらい旅がようやく終わりました。
やっと帰ってきたという気持ちはもちろんありましたが、それよりもまたここで走りたいという気持ちの方が断然大きい、楽しいトレイルでした。
若干前倒しであったものの、最初に描いた ”うまく行った時のペース配分” で進んでこれました。超上出来、今年一番の大きな収穫です。
レース編 完